1杯に、200人の想いが凝縮
もっとおいしく楽しむためのスペシャルティコーヒー講座


冬の足音が近づき、あたたかい飲み物が恋しい季節になりました。こんにちは、ゆいツアーデスクで講習会のサポートを担当している高井です。

朝食時に、おやつの時間に、夕食後に・・・何かとコーヒーに親しむ機会の多い私たち。ですが、「スペシャルティコーヒー」という言葉には、まだまだなじみが薄いのではないでしょうか。今回は、神戸・ポートアイランドにあるスペシャルティコーヒー専門コーヒーショップ「LANDMADE」の上野真人さんを講師に迎え、最高級の風味と味わいと持つといわれるスペシャルティコーヒーが生まれる背景や淹れ方のコツなどを教わり、そのおいしさを実際に体感していただける講習会を開催しました。コーヒーの幸せな香りに包まれながらの和気あいあいとした様子をお伝えします。

生産国の違いを飲み比べる

まずは、生産国によるコーヒーの違いを体感していただこうと、スペシャルティコーヒー4種類を飲み比べ。コーヒー豆を挽き、そこに直接熱湯を加え、上澄み液を除いた残りの液体を飲み比べる「カッピング」で、少しずつ味見をしていただきました。

会場のあちこちから「甘みがある」「すっきりしてるね」など、いろんな声が。ブラジル産やコロンビア産、エチオピア産など、それぞれに味や香りに特徴があり、「おいしい」と感じるコーヒーもまた人それぞれ。まずは国の違いで味が違う、ということを体感していただきました。

焙煎方法の違いを飲み比べる

次に、焙煎方法が異なるコーヒーを、同じく「カッピング」により飲み比べ。焙煎方法は酸味の強い「浅煎り」、バランスのとれた「中煎り」、最も苦味がある「深煎り」の3種類で、生産国による違いよりも、焙煎方法による違いの方が分かりやすいよう。日本では中煎りや深煎りが好まれる傾向にあるようで、今回も中煎りと深煎りに人気が集まっていました。

1杯のコーヒーができるまで

コーヒーを飲み比べていただいた後は、1杯のコーヒーができるまでの背景について教わりました。生産者から始まり、私たちがコーヒーを口にするまでに関わっている人の数はなんと約200人。想像をはるかに超える人数に、会場からも驚きの声があがっていました。

そのうえ、1人の生産者が1年間に収穫できるコーヒー豆は約450gで、これはコーヒー40杯分に当たるとのこと。コーヒー豆の生産ルートはすべてが不安定で、綱渡りのような流通事情を越えて私たちの元に届くとのこと。スーパーや小売店で当たり前のように目にするコーヒーは労働力の結晶であるという事実を学びました。

コーヒーを美味しく淹れるコツ

コーヒーをおいしく飲むためには、粉の量や挽き方など淹れる人の努力も欠かせません。コーヒーを簡単においしく淹れる方法も教わりました。

ポイントは、セットの順番と注ぎ方。粉は1人分10gが目安です。パックをセットしてから粉を入れると微粉がカップに入り風味が変わってしまうため、粉を入れてからセットします。

そして、粉全体にまんべんなくお湯をかけるために、パックに注ぐ前には粉を平らに。少しお湯をかけて蒸らすことで、豆の中のガスを抜きます。お湯の盛り上がりが落ち着いてきたら、あとは高さを一定に保ちながら注ぎます。お湯の温度は「85度」「92度」がよいなどとよくいわれますが、温度が高いほど豆の成分を取り出す力が強くなるので、100度でもおいしく飲めるそうです。

スペシャルティコーヒーを味わう

そもそもスペシャルティコーヒーは、普通のコーヒーと何が違うのでしょうか。スペシャルティコーヒーの条件は、「消費者(コーヒーを飲む人)がおいしいと思うかどうか」。コーヒーができるまでの過程で少しでもトラブルがあると、スペシャルティコーヒーではなくなってしまうそうです。流通しているコーヒーの中で、スペシャルティコーヒーと名乗れるのは約5%だけ。最高級と呼ばれるのも納得です。

最後は、スペシャルティコーヒーと、流通の過程でスペシャルティコーヒーではなくなったコーヒーの飲み比べに挑戦。スペシャルティコーヒーではない方のコーヒーは変な酸味があったり、水っぽい味がしたり…その違いも体感していただきました。

生産者と、未来のコーヒーを守る

コーヒーの生産国には発展途上国が多いため、より多くのお金を稼げる方法があればコーヒー栽培をやめてしまうケースも多々あるのが現状だそう。中には、違法薬物とは知らずに大麻などの栽培を始めてしまうことも…。そこで中間業者を介さずに、コーヒーの買い付け担当者が生産者の元を訪問し、応援したい生産者が生活していけるだけのお金を直接支払う「ダイレクトトレード」が始まったとのこと。これがスペシャルティコーヒーの始まりだったそうです。

また、ダイレクトトレードは、金銭面の支援だけではありません。生産者の子どもたちのために学校を建てたり、遠くまで水を汲みに行かなくても良いように水路を造るなど、生産者の生活をより便利に、より豊かにする活動を行っているそうです。このような日本の活動への恩返しのため、何があっても日本の消費者のためにコーヒーを作ると言ってくださる生産者もいるそうで、上野さんのお話に涙を流す方もおられました。

「コーヒーを飲むときは、ぜひ意識してスペシャルティコーヒーを選んでほしい」と上野さん。スペシャルティコーヒーを選んで飲むことが、生産者を応援すること、そして20年、30年後のコーヒーを守ることにもつながるのです。

いつも、私たちの身近にあるコーヒー。ただおいしく飲むコツを学ぶだけでなく、海の向こうのコーヒー農園から私たちの手元に届くまでの大変な物語を知ることができました。これからコーヒーを飲む際には、今まで以上に生産者の方々に感謝しながら味わおうと思います。人を通じて学び、生活を豊かにしていく講習会を、月1回のペースで開催してまいります。次回もどうぞお楽しみに。

LANDMADE 上野真人

焙煎士。バリスタとして働くが、原料(コーヒー豆)に関する知識を得るため転職。転職先がスペシャルティコーヒーを専門とする会社であったことが大きな転機となる。焙煎業務に8年間従事し、50社以上の焙煎指導を行っている。Qグレーダー(コーヒー豆鑑定技能者の国際資格)取得。

リンク:https://www.landmade-kobe.com/

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