贈り物に心も添える
水引飾り講習会

結婚祝いや出産祝い、昇進祝いに新築祝い。人生の節目節目の「おめでとう」に欠かせないご祝儀袋。市販されている豪華なものも素敵だけれど、ちょっとしたお礼やお返しをする時に、水引に気持ちを添えて手渡せたらいいなと思いませんか?
こんにちは、ゆいツアーデスクの出野上です。今回は和包み研究家の淵本優子さんから、夏の贈り物シーズンにぴったりの水引飾りを学びました。

約1400年の歴史をもつ水引

諸説ありますが水引の歴史は飛鳥時代までさかのぼります。小野妹子が遣隋使として隋の国から持ち帰った贈り物に紅白に染め分けた麻紐が結ばれていたという記録があります。後に麻紐は紙でできたこより状に変化し、現代のかたちになりました。
水引と共に、慶事の贈り物に欠かせないのが熨斗(のし)。古くから大変貴重だったあわびは贈り物に用いられていましたが、あわびを薄く伸ばして干したものを「のしあわび」と言うようになり、「のし」と略されました。今ではあわびを贈ることはなくなりましたが、品物を贈るだけでなく相手に思いも添えたいと願うのは今も昔も同じですね。

気持ちを込めて結ぶという動作

結ぶ動作に慣れるため、まず「8の字結び」の結び方を教えていただきました。
1つの輪に1回だけ通すのが堅結びで、2つの輪を通って結ぶのが8の字結び。8の字結びは結び目もかさばらず、一直線になる見た目がとてもきれい。また両端を引っ張るほどに結び目は堅く締まり、解ける心配もありません。1つ1つの動作をゆっくりと、結び目や長さのバランスを見て、結ぶ瞬間は気持ちも引き締まります。丁寧に結ぶという動作は、私たちの指先の美しさを自然に引き立ててくれるようです。

末永いお付き合いを願う「あわじ結び」

8の字結びで水引に慣れる練習が終わったら、次はあわじ結びにかかります。水引の結び方には大きく「あわじ結び」「蝶結び」「真結び」の3種類があり、水引の基本となるものが「あわじ結び」です。「あわじ結び」は、結婚式などでよく使われる結び方で、一度結ぶと解くのが難しく、紐の両端を引っ張るとさらに固く結ばれるところから「末永くお付き合いをお願いします」の意味が込められています。

まず虹を思わせる色とりどりの水引紐から3本選びます。「あわじ結び」は色合わせによって異なる印象を与え、淵本先生から「一番外側は目につきやすいので、効かせ色をもってくるといいですよ」とアドバイスがあり、3本の水引紐の配置を決めます。
次に、選んだ3本の紐を根元からすーっと押さえながら、3本の紐がよじれたりからむことなく、たゆませたり曲げたりしながら出来たいくつかの小さな輪のすき間を縫うように、水引紐の片方の端を通し結び上げていきます。3本の紐の並びが変わらないよう、外側は外、内側は必ず内側になるよう慎重に丁寧に。こんな風に美しく結ばれた水引が添えられていたら、受け取った相手も喜んでくれそう。

あわじ結びができるようになったら、真っ白な半紙と色つきの半紙を使って「たとう折り」のご祝儀袋を制作。何かのお釣りやちょっとしたお釣りや心づけをお渡しする時、手作りのご祝儀袋に入れて手渡すと粋ですよね。

あなたとのご縁を大切にしたい気持ちを結ぶ

水引は一度結んだものをほどいたら、まっすぐには戻らないことから、鍵をかける、契りを結ぶという意味があるのだそう。きゅっと結ぶことで結界を張り、邪気を寄せ付けない魔除けにもなります。「あなたとのご縁を大切にしたい」と願い、「あなたに不幸が訪れませんように」と相手を大切に思う気持ちを込めて水引を結び贈り物に添える。
風呂敷の結び方「真結び」から名付けた「真結」
上質な旅を通じてお客様とのご縁を大切にする「真結」の旅と同じ思いです。

ゆいツアーデスクでは旅と暮らしを彩る数々の講習会を毎月開催しています。ぜひ、ご参加ください。

前回の水引講習会のレポートはこちら

淵本優子

テーブルコーディネーター 兼 和包み研究家。 ブログ「和のコト」では歳時記や年中行事、伝統の工芸や和の文化など身近にある素敵な「和のコト」を普段の暮らしに取り入れて愉しむライフスタイルの提案をしている。

リンク:http://wanokoto.blog.fc2.com/

真結の旅

私達がつくる“いまだかつてないバス旅”、 それが「真結(ゆい)」であり、風呂敷の結び方である“真結び(まむすび)”から由来したものです。 “本物”の旅を身体と心で感じていただき、そしてその感動をお客様が共有(結びつき)していただける“こだわり”のツアーブランドです。 観光地やお食事、そしてお宿と、“こだわり”だからこその工夫や心づくしを凝らしますが、決して“本物”=“高級”ではなく、質素な中にも“本物”を追求した旅程を、経験豊かなプランナーがご提案いたします。