ひんやり おいしく
からだに やさしい

2021年の春・夏の講習会は、緊急事態宣言の延長に伴い延期が続きましたが、今回久しぶりに講習会を開くことができました。
またこれから、皆様と共に楽しい講習会をご一緒させていただきます。ゆいツアーデスク・コンシェルジュの高橋です。旅と暮らしを彩る講習会では、これまで“物”をつくってきましたが、今回は初の試みとして“スイーツづくり”に挑戦しました。夏にぴったり、いちごとココナッツミルクのムースづくりの作り方をお伝えします。(プリンカップ直径7cm 8個分)

ジェノワーズ??

講師は兵庫県三田市にある「パティシエ エス コヤマ」の小山シェフに師事している福本千景(ふくもと ちかげ)先生。
ジェノワーズとは、ショートケーキなどで使用するスポンジと呼ばれる生地の事です。まずはこの生地づくりから始めます。生地の大きさ24cm×22cmに対し、材料は全卵 2個、上白糖 55g、薄力粉 40g、無塩バター 13g、牛乳 13gです。用意ができたらオーブンは180℃に前もって加熱しておきます。無塩バターと牛乳は一緒に入れ湯煎で温めます。薄力粉は必ずふるいにかけます。

これはお菓子づくりにはとても大事な下準備の基本の「き」になるそうです。その3つの理由が、
①ダマをなくす②不純物を取り除く③空気をたくさん含ませるとうこと。
薄力粉をふるいにかけたら、ボールに材料の卵と上白糖を全て入れ、湯煎の上にボールを置きハンドミキサー中速で混ぜます。湯煎にかけるのは、泡立ちにくい全卵のコシを切り、表面張力を弱くして泡立ちやすくするためだそうです。

泡と空気が入ることで黄色かった生地の色がだんだんと白っぽくなってきます。白っぽくなれば湯煎からおろし、生地で字がかけるくらいになるまでハンドミキサーで混ぜ続けます。字がかけるようになれば、低速にし約1分くらい混ぜます。これは生地のキメを均一にするため。持ち上げると、たら~っと落ちればGOOD。

10時から8時の方向

ふるった薄力粉を一気に加えます。加えたら、ボールの10時から8時の方向に左手を回し、右手はゴムベラを返すように、中心から外に向かって泡を崩さず、切るように、混ぜます。この作業が難しく、慣れるまで時間がかかります。

粉気がなくなると、湯煎しておいた牛乳と無塩バターを加え更にゴムベラで40回ほど混ぜます。混ぜ方は先ほどと同様。10時から8時の方向に回しながらゴムベラを返すように切る。ボールの下にバターがたまりやすいため下からきっちりと混ぜます。よりしっとりとした生地を好まれる方ははちみつを加えてください。
生地ができあがったら、ベーキングシートを敷いた天板に流しいれ平らにし、余熱しておいたオーブンに180℃で13分焼きあげます。

いちごのソースづくり

生地が出来上がるまでに、続いての行程はいちごのソースづくりです。材料は、いちご 90g、上白糖 20g、レモン汁 2g。今回は冷凍のいちごを使用しました。夏季はいちごの値段が高いので先生は春先に食べきらず、残しておいて冷凍して使うと言ってました。材料の中の上白糖についてですが、グラニュー糖でも代用可能とのことですが、上白糖の方がしっとりと仕上がるため、今回は上白糖を使ったそうです。
材料を全て鍋に入れ弱火で煮詰めます。いちごは若干果肉があったほうが楽しめるのであまり潰さすぎず。徐々にあくが出てくるのでとりのぞきます。できあがれば容器に入れ替え冷やしておきます。

ジェノワーズ完成

ジェノワーズが完成です。ベーキングパウダーから取り外します。そのとき、生地をいったん裏返しにしてから外します。生地は1日においてた方がよりしっとりと仕上がるそうです。お時間ある方はぜひ1日おいてあげてください。

天板から外した生地は冷蔵庫の中でしっかりと冷まします。冷めたら生地を直径5cmの方でくり抜き、プリンカップの底に敷きこみます。余った生地はそのままでいただきました。

からだにもやさしいアガー

今度はいちごのムースづくりです。材料は、いちご 180g、レモン汁 6g、上白糖 54g、アガー 8g、ヨーグルト 40g、牛乳 60g、生クリーム 90g、キルシュ 6gです。アガーとは、カラギーナンと呼ばれる海藻やマメ科の種子などの抽出物からできているので、からだにやさしいのです。又、ゼラチンや寒天に比べ透明度が高く、光沢が美しく、素材の色を生かせる90℃以上の熱湯で溶かし、常温でも溶けずにプルンっとした食感になります。
いちごとレモン汁を鍋に入れ、フォークで潰します。いちごは果肉が残る程度にしておきます。弱火にかけてアガー入りの砂糖を加え混ぜます。アガーは軽い粉なので単体だとなかなか溶けにくいそうです。ぐつぐつ煮立ってきたら火からおろし、牛乳を加え、ゴムベラで混ぜながら生クリームとヨーグルトを一気に加えます。

すぐに、かたまり始めるので注意しながら混ぜます。最後にキルシュを入れて、混ぜ終えたら、用意したプリンカップに流しいれます。

いれたら、冷蔵庫に冷やしておきます。

最後の仕上げはココナッツミルクのムース

いよいよ最後の工程になります。ココナッツミルクのムースの材料は、ココナッツミルク 200g、上白糖 56g、板ゼラチン 8g、生クリーム 180gになります。粉ゼラチンよりも板ゼラチンの方がより溶けやすいそうです。板ゼラチンはあらかじめ、ぶよんぶよんになるまで、氷水のなかでもどしておきます。

生クリームを氷水にあてながらハンドミキサーで7分立てにします。できたら、ココナッツミルクと上白糖を鍋に入れて温め、上白糖が溶けたら火をとめ、氷水でもどしておいたゼラチンを温かいココナッツミルクの中に入れ、ゴムベラで混ぜながら溶かしていきます。ゼラチンが溶けたら氷水で冷やします。粗熱がとれたら生クリームを2回に分け入れ、混ぜます。混ぜ終えたら、冷やしておいたプリンカップに流しいれます。ピンクと白の2色がなんとも言えないかわいさです。

冷蔵庫に入れ、冷え固めると、作っておいたいちごのソースをスプーンで盛り付け、ミントをのせたらできあがりです。

いちごのつぶつぶ食感のソースから始まり、なめらか食感のココナッツミルクのムース、続いていちごのつぶつぶ食感でフルーチェのような舌触りのいちごのムース。最後にしっとりとしたジェノワーズ。食べ方によっていろんな味を楽しめる、夏にぴったりのひんやりスイーツ。ぜひ皆様もお作りください。

Atelier de chikage Merci・お菓子研究家 福本千景

ル・コルドン・ブルー神戸校の初級・中級・上級ディプロマ(卒業証明書)を取得後、数多くの有名シェフに学んだ経験を持ち、現在は三田市の「パティシエ エス コヤマ」の小山シェフに師事している。お菓子のおいしさ、楽しさを知ってほしい、お菓子で笑顔になってほしいという思いで日々研究を重ねています。

真結の旅

私達がつくる“いまだかつてないバス旅”、 それが「真結(ゆい)」であり、風呂敷の結び方である“真結び(まむすび)”から由来したものです。 “本物”の旅を身体と心で感じていただき、そしてその感動をお客様が共有(結びつき)していただける“こだわり”のツアーブランドです。 観光地やお食事、そしてお宿と、“こだわり”だからこその工夫や心づくしを凝らしますが、決して“本物”=“高級”ではなく、質素な中にも“本物”を追求した旅程を、経験豊かなプランナーがご提案いたします。